防災情報機構会長就任に当たって
平成17年5月10日
防災情報機構NPO法人
会長 伊藤 和明
阪神・淡路大震災の発災当時、政府関係省庁は全力をあげて復旧と復興対策に取り組まれましたが、その中心となって実務の指揮をとられた石原信雄前内閣官房副長官が、これまで当機構会長として私たちの指導に当たって来られましたが、世評に言われる至難の事業と見られた
(1)「全国統一・広域避難場所表示マーク」の制定と普及の実現。
(2) 防災士制度の確立と日本防災士機構の活動開始・成果発揮。
上記二大事業について大きな成果が得られた機会に、このたび、私、伊藤和明に会長の指名がなされました。私は、果たして、この付託に応えられるであろうか熟考を重ね、このたび勇断をもって会長職を受任することと致しました。
私は、会長就任に当たり、災害列島といわれるわが国において、まず第一に考えねばならない事は、いつどこでいかなる規模と態様で発生するか分らない自然災害に対して、それへの対策の遅れと危機感の欠如という実態に対する危惧の思いであり、第二には、災害そのものを知り、災害を恐れ、災害に対処する備えの重要性について、「防災教育」こそ取組むべき最高の課題と考えていることであります。私は、この事こそ私に課せられた使命と考え、「防災教育の推進」とそれを実効ならしむる「防災士養成事業への積極的な協力」を果たしていきたいと考えております。
今後、会長として何をなすべきか、またその優先順位を考えるに当たって、関係省庁、報道機関、防災関係者をはじめ、市民ボランティアの皆様におかれましても、格段のご指導とご支援を心からお願い申し上げる次第です。
以上
(記者会見・会長報告)
平成11年10月7日
NPO法人防災情報機構
会長 石原 信雄
このたび当機構は、東京都庁より平成11年9月30日付けにて特定非営利活動法人の認証を受領致しましたので、これについて記者会見を通じて国民の皆様方にご報告とご挨拶を申し上げます。
阪神・淡路大震災以後、自然災害への備えは国、自治体、全国の企業にとっても、国民の一人ひとりにとっても、重要な課題となったにも関わらず、防災・減災対策は立ち遅れ、防災意識は急速に風化しつつある状態はまことに憂慮されるところであります。
地震等の自然災害を防ぐことは出来なくとも、災害に対する知識と事前の備え、適切に防災情報の伝達によって被害を軽減することは可能であります。
そこで、かねてより官民を越えて、広範囲に最新の防災情報を国民に発信する機関が望まれてきました。この事業分野は民間において取り組むことが極めて適切であるとの判断に加え、防災に携わる各分野からの激励を受けて、このたびNPO法人防災情報機構が発足することとなった次第であります。
新法人はボランティア精神に則り、特定の分野・組織に偏ることなく防災と危機管理、及び災害とその救援等に関する知見を練成すると共に、阪神・淡路大震災での様々な教訓をもとに具体的事業の展開を通じて広く社会に貢献してゆく決意であります。
各位には、民間に深く根差した活動を基本とするNPO法人として、新しく出発した防災情報機構の活動趣旨にご理解と温かいご支援を賜りますよう、心からお願いを申し上げる次第でございます。
以上
平成8年12月 | 防災情報機構設立。会長に石原信雄(前内閣官房副長官)、最高顧問関根則之(元総務省消防庁長官)。理事長玉田三郎(防災情報新聞社主筆)就任。 |
平成9年4月 | 防災情報新聞創刊に参画。防災情報の提供協力始動。 |
平成10年6月 | 阪神・淡路大震災の教訓を軸に、「防災士制度」を提唱。総務省消防庁等政府防災関係機関に働きかけ。 |
平成11年1月 | 災害時に於ける避難場所の表示標識について、表示マークの規格統一を提唱。 |
平成11年2月 | 災害時避難誘導標識調査会設置。防災情報機構の呼び掛けにより、国土庁、消防庁、東京都をはじめとする中央省庁、有力自治体等防災関係20機関が参加した災害時避難誘導標識調査会を設置し、避難場所標識の調査研究及び避難場所を標示する図記号の規格統一に向けて第一回総会開催。活動開始。 |
平成11年9月 | 東京都より、特定非営利活動法人(NPO法人)の認証受証。 |
平成12年4月 | 災害時避難誘導標識調査会記者会見を行い、標識の統一マーク(以下広域避難場所標識と記す)について発表。 |
平成12年6月 | 「防災士制度」の実現について定期総会で機関決定。 |
平成12年9月 | 当機構起案の広域避難場所表示標識を、運輸省が設置した一般案内用図記号検討委員会に提案。10月に採用決定。 |
平成12年10月 | 「防災士制度研究会」を設置。研究活動開始。 |
平成13年4月 | 防災士制度研究会を発展的解組して、「防災士制度に関する検討会」を設置。検討活動始動。 |
平成13年12月 | 総務省消防庁が広域避難場所表示標識について正式に全国自治体に対して推奨通達。 |
平成13年12月 |
「防災士制度に関する検討委員会」より、防災士制度に関する基本案・答申を受け、防災士制度事業基本実施大綱を下記の要項にて決定。 |
平成14年2月 | 「防災士制度推進委員会」設置。防災士制度設計等、具体的作業チームの活動を開始。 |
平成14年3月 | 広域避難場所表示標識がJIS認証され、官報に公示。 |
平成14年3月 | 防災士制度を推進するため「日本防災士機構」を提唱し、設立総会開催。 |
平成14年7月 | 内閣府より、日本防災士機構のNPO法人認証を受証。 |
平成15年4月 | 日本防災士機構第一回通常総会開催。以来継続して事業協力。 |
平成15年5月 | 防災士養成のための研修機関として、防災士研修センター(株)の設立に協力。以来継続して事業協力。 |
平成15年6月 | 防災情報新聞の普及に協力するため、全国2800自治体の防災担当部署へ防災情報新聞の寄贈事業(毎月実施)を平成20年3月迄実施。 |
平成16年4月 | 防災情報新聞の普及に協力するため、全国に設置されている防災教育展示館100ケ所に防災情報新聞の寄贈事業(毎月実施)を平成20年3月迄実施。 |
平成17年4月 | 防災情報新聞の普及に協力するため、全国の図書館へ防災情報新聞の寄贈事業(毎月実施)を平成20年3月迄実施。 |
平成18年4月 | 広域避難場所表示標識普及のため、主要道路の歩道部分に電柱の地中化に伴い設置されている、電力会社の配電箱への標識取付け事業に協力。 |
平成20年4月 | 防災情報新聞Web紙に防災情報を提供。以来継続して事業協力。 |
平成23年4月 | 機構創設以来、今日まで主要役員によるテレビ・ラジオ出演及び全国各地での防災教育講座・講演等の活動に精力的に従事。 |